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スタリィドール 【おとぎの森の迷い子】

ゆきちゃ

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参加者の皆様どうぞよろしくお願いします。 ~予知夢~ 星人形たちは、不思議な夢をみる。 見たことがあるかもしれない、ないかもしれない、手入れの行き届いた庭園で。 庭園にあるベンチに腰掛けて、溜息をつく一人の少年。 「僕はただ、昔みたいに二人で仲良く遊びたかっただけなのに…」 少年の手には一冊の絵本。ボロボロで、薄汚れていて、それでも大事に扱われていたのだろう。 パラパラとめくられるその本をよく見ると、あちこちに取れかけているページや敗れかけているページを補修したような跡が見える。 「おやおや、そのような泣きそうな顔でどうされたのですか?」 いつからそこにいたのか。ふと気づくと、少年の隣には猫の頭を持つ悪魔の手先が座って少年の顔を覗き込んでいた。 「わかりますわかります。この世はなんてままならないのでしょう。ここにいる限り、彼女は貴方から離れていく一方なのですから。」 ”離れていく”。その言葉に少年は反射的に「そんなこと!」と言葉を荒げる。 「ないと言い切れますか?であれば貴方はそんな泣きそうな顔をしているはずがない。ここに貴方の幸せはないのですよ。」 悪魔の強い断定に、言い返す言葉を見つけられない少年。 「そんな貴方を、いつまでも夢が終わらない世界にご招待しようとやってまいりました。そこではいつまでも貴方は頼られる兄でいられるでしょう。 さあ、一緒に参りましょう。仲の良い兄妹を意のままに。」 少年は、差し出された手を前に、一瞬、戸惑った様子をみせたものの、やがておずおずとその手を握り返す。 「…いらない。もう、これはいらない。」 そうして猫の頭を持つ男と少年が去った後のベンチには、ボロボロの一冊の本が残されていた。
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